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った。記入用紙を書いた人の名前を、その用紙の内容を読み上げた他の生徒に発表させ、みんなで拍手するのもよかった。
[第7回(二者択一、私のしたい十のこと]
「気になる生徒」のC男が、F子と楽しそうに話していたのが印象的だった。生徒たちは、だいぶSGEの活動にも慣れてきて、とまどいを見せるような様子がなくなってきた。しかし、同時に少しゆるんだ気持ちで活動する姿も、見受けられるようになってきた。
[第9回(気になる自画像)]
このエクササイズは、とてもよかった。記入用紙の中には、仲間の良い面を認めていこうとする意図がよく出ているし、それをグループ内で発表し合うことによって、うれしそうな表情を見せる生徒がたくさんいた。

 

<実践を通しての学級の変化(担任よりの報告)>
学級全体としては、はっきりと男女の仲が良くなったことが、成果としてあげられます。
SGEの実施期間の途中(11月24日)に、学級では、「班替え」が行われました。このとき担任が、「もとの班の人と別れる前に、お互いに感謝の挨拶をしておくように。」と言うと、担任としては、ごく軽く言ったのにもかかわらず、生徒たちは熱心に同じ班の一人ひとりと手を握り合っていたのには驚いたということでした。このような自然なふるまいができるようになったのも、学級として大きな変化です。

 

3 PLT(Project Learning Tree)による環境教育
3−1 自然とその変化に対する「気づき・感受性」を高める『My Tree(ぼくの木・わたしの木)』の実践
この実践は、PLT(Project Learning Tree=木を通した環境教育プログラム、木と学ぼう8))の「ファシリテーター養成講座(’91)」に参加して学習したことをもとにして、自分なりにアレンジして、前任校のときから理科の学習の中で行ってきたものです。
以下に、その実践の概略を書いておきます。なお、この実践に近い内容のものが、’94の「ネイチャー・ゲーム」の初級指導員講習会に参加して、「わたしの木」というタイトルのゲームとしてあったことを知り、同じようなことをジョセフ・コーネル氏も考えていたのだなとうれしくなりました。

 

自分自身の木(樹木)を継続して観察し、植物の変化や自然の変化に眼を向けよう!

 

福田中学校の樹木の中から、一本『My Tree(ばくの木・わたしの木)』を選ぶ(気に入った木、興味のある木、おもしろい木、ちょと変わった木、何となく気になる木etc.)。そして、この『My Tree(ぼくの木・わたしの木)』を、春、夏、秋、冬のそれぞれの季節ごとに、最低1年間は継続して観察するのです。
この観察を通して、今までは、あまり気に留めていなかった樹木や植物に眼が向けられるようになり、植物を含めた身近な自然の変化にも気づくことができる生徒が多くなりました。さらに、この『My Tree』の継続観察は、男子生徒にも人気が高く、自分の木に愛着をもつようになるのです。これは驚きでもあり、私にとってうれしい発見でした。
次の(1)〜(7)が観察のポイントです。夏の観察からは、前回の観察のときとの違いや変化を中心に観察・記録していきます。
(1)その木を『My Tree』として選んだ理由(わけ)
(2)樹皮の様子の観察(手ざわり、におい、模様、きずetc.)
(3)葉の観察(手ざわり、におい、形、裏・表の違いetc.)

 

 

 

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